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やぶにらみ民俗学

「こうしんのもり」の日

おはようございます。

昨日のことです。なかなか下の娘が寝付かない。いつもなら朝店に来てから少し騒いだ後眠りにつくのですが、気が高ぶっているのか、寝付かない。祖母いわく「今日はこうしんのもりの日だから、寝つきが悪いかもね」

・・・「こうしんのもりの日」?

「庚申の守の日」でしょうね。

「庚申」というのは「かのえさる」で、一年に60日に一度くる日です。民俗調査などをしていますと「庚申講」や「庚申さん」という名前で出てくる行事で、この日村の人々が集まって神仏を祀り、夜を徹して歓談するという日と聞きます。最近は参加する方々が高齢化しているため、夜を徹するのではなく日付が変わるまでといった例が多いみたいです。

なぜこの日に夜を徹して歓談するのか。それは道教の伝説によるところが大きく、人間の頭と腹と足には三尸(さんし)の虫(彭侯子・彭常子・命児子)がいて、いつもその人の悪事を監視しているのだそうで、この三尸の虫は庚申の日の夜の寝ている間に天に登って天帝に日頃の行いを報告し、罪状によっては寿命が縮められると言われていたのです。そこで、三尸の虫が天に登れないようにするため、寝ずに酒盛りなどで歓談をして夜を明かした。村の公的な休み日でありまして、人々はこの貴重な休日に親睦を図り、また体を休めたのでした。日本の農業人口が八割を超えていた時代、この日は日々農作業に明け暮れる多くの人々にとって有意義な時間であったことでしょう。

歴史的にも古く、天皇が暮らす皇居の清涼殿の御湯殿で天皇に仕える女房が書き記した日記である「お湯殿の日記」文明九年(1477)正月二一日に「かうしん」という記事が見えます。その初見は『枕草子』(長保三年頃・1001頃)といいますから、優に1000年の歴史を超えて現在まで語り継がれている伝承なのです。当初は知識階級である貴族から始まった風習で、民間定着は江戸時代といいますが、それにしてにも400年は経っているんですから。

そんな長い時間を経て娘にあてがわれた「こうしん」という言葉。何かその背景にある大きな時間の流れに感動している間もキャアキャアと騒ぐ娘・・・。結局一回も昼寝することなく、夜の入浴中にようやく寝たのでした。


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