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帰道へ道のり

さらば、歴民

おはようございます。

どうやら娘から風邪をもらったみたいです。昨日はのどがイガイガして、鼻がつまった状態でした。幸い今日には快方に向かっているので、よかった、よかった。やはり日ごろの健康管理は大切ですね。

さて、昨日、長らく在籍していた城陽市歴史民俗資料館を退職しました。「勤務」ではなく「在職」と表現したのは、一週間に決められた日数があるわけではなく、民俗調査および調査報告書の執筆という役割のもと出勤していましたので、ほぼ不定期な勤務状態だったからです。大学院の博士課程からの在職ですから、ほぼ8年ほど経ったことになります。いやあ、早いでものです。

「文化パルク城陽」です


城陽市歴史民俗資料館は、「文化パルク城陽」の四階にあります。勤め始めた頃は「なんで資料館が四階にあんねん」と不思議に思っていました。なぜかと言うと、展示などに使う様々な道具や展示品を一階で搬入してから、エレベーターなどで四階まで上げるのは、それらを痛めてしまう可能性があるわけです。特に展示品などは他館からの借り物が多く、痛めては大変なものも多いのです。何度か展示にも関わらせていただきましたが、学芸員の方々は割と気にする風でもなく淡々と作業されていたので、こちらは内心「ヒヤヒヤ」でした。

城陽市は京都市の南部にある市で、人口が約9万人くらいです。名称こそ「市」ですが、各大字が近世の村の範囲にほぼ相当し、それらが内面的に強い結束を持っている地域として独立している感があります。そうした一つ一つのムラ社会が現代的行政の枠組みとして、便宜上寄せ集められているといった印象でした。そのためか各地域では多くの民俗行事が現在までもよく伝承されており、経験の浅かった私にとっては格好の仕事場でした。

民俗調査および報告書は、城陽市内にある全12大字を単位に行われました。私も引継ぎで取り掛かりましたので、12大字のうち8大字を担当させていただきました。調査員も当初は三人いましたが、二人になり、そして最後の1地区については調査は二人ですることができましたが、執筆は私一人ですることとなりました。『城陽市民俗調査報告書第2集』で北部6地区、『城陽市民俗調査報告書第3集』で南部6地区が報告されていますが、その両方に執筆・編集で関わることができたのは、大変学ぶところが大きく、有意義なものでした。

調査報告書のことについてはまた別の機会にと思いますが、特に印象深かったことが二つほどあります。

一つ目は最後まで調査員として参加してくれた方とのやり取りのなかで、一番初めに言われたことです。「あんたは大学院行ってるから専門知識もあるし、難しいこともたくさん知ってるやろうけど、そんなんで会話しているうちは、あかん。難しい専門知識をわかりやすい言葉で、誰にでもわかるように説明することが、あんたみたいな専門家に課せられた問題やと私は思ってる。」という言葉でした。勤務してすぐの頃だったので「ガツーン」ときましたね。先にも書きましたが、城陽市歴史民俗資料館に勤め始めた頃は、修士課程も終わって博士課程に入った頃でした。多分自分では意識していませんでしたが、それを鼻に掛けたような言動があったのでしょう。それを真正面から注意していただいたことにはじめはとまどいましたが、その後その言葉は私が研究を続けていく中で必須の課題として、常に頭の中にあるものでした。まだまだ精進が足りませんので、どこまでその方のご期待に添えているかはわかりませんが・・・。

もう一つは亡くなられた職員の方のことです。『城陽市史』の編さんの中心におられた方で、まさにたたき上げの歴史家でした。その独特の存在感はいまでも一部の研究者の方々の中で思い出として語られています。『城陽市民俗調査報告書』にも深く関わっておられ、その方の地域における知名度によって助けられたことが何度もありました。とても気さくな方でしたが、反面とても頑固なところも持ち合わせた方で、よく酒の席で「歴史と民俗とはどう違うのか」みたいな話をさせていただきました。だいたいが途中でいろんな方の乱入によって終わったのですが・・・。その方が『第2集』と『第3集』の間、平成14年に不慮の事故で亡くなられました。「民俗調査報告書が終わったら、次は民具の調査報告書を作りたいなあ。頼むで。」などとお話されていたことを思うと、とりあえず『第3集』を執筆編集して発刊できたことで、ちょっとは肩の荷を降ろすことができたと思っています。こんなことを言うとちょっと考えすぎに思われるかもしれませんが、私にとっては一つの「約束」として、心の中にあったものなんです。

いろいろあった城陽市歴史民俗資料館ともいよいよお別れです。お世話になった方々、地域の古老の皆さん、本当にありがとうございました。
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